道具としての機能

例えば器です。
ご飯をよそう器や、味噌汁などの碗にとって大切なことは、洩れたり、割れたりしないなどの「道具としての機能」がきちんと満たされていることです。建物にたとえると、正確な設計と施工がこれに当たるでしょう。一方では、毎日使ったり、目にする道具ですから、感性や趣向に合ったモノに人々は愛着を感じます。その感覚は、千差万別で、ある人は、茶碗の少しの欠けにそこはかとない情を感じたり、またある人は、伝統的な和風造りに拘ったりと、器にも建物にも、それぞれの思いが秘められているのです。

生命を育む器

もちろん私たちも当たり前のこととして「道具としての機能」を高いレベルでクリアしつつ、人々の五感に合った、心を動かすデザインを提供するために日々努力をしています。また、建物には、雨風や地震・火事などから守る「生命の器」としての大切な役割があります。
私たちが設計・監理した物件を引き渡す際には、まるで我が子の巣立ちのような愛しさと社会的な存在として、建物がこれから担う役割を感じております。このような「生命を育む」責任の下で、メンテナンス・維持などの建物の生涯監理体制を貫いています。

人へ、そして明日へ。History & Story

企業、地域の歴史とストーリーをクライアント様(建築主)と共に検証しながら、それを具体的なカタチにしていきます。クライアント様の歴史と意志との関係性を造形的に表現する、それがが私たちの大切な仕事です。

"今"という時間の中には、"過去"という連綿と続く歴史が含まれています。それは決して軽んじてはいけない、人間の本質的な部分と深く関わっているのです。その大切な財産を失うことなく、確実に継承して発展していくには、どうしたらいいのか、、、
私たちが真先に考える大切な仕事の一つです。お客様との対話を通じて、"今"という新しい時間と場所を、創造いたします。